【ショウガ】
ショウガはショウガ科の多年草で、熱帯アジアが原産です。日本にも2600年以上前に渡来、根茎は辛味と佳香があり、古くから香辛料や生薬として世界中で広く用いられており、健胃作用のある生薬<生姜(ショウキョウ)>としても利用され、多くの漢方処方に配合されています。俗に「胃の働きを助ける」「殺菌作用がある」「風邪によい」「のどによい」などといわれて、有効性については、消化不良と乗り物酔いに対してドイツのコミッションEモノグラフ(薬用植物評価委員会)がその使用を承認しおり、安全性については、通常の食品として摂取する場合は安全と思われます。また、お茶の中で一番身体を温めてくれる上に代謝を高めるテアフラビンを豊富に含んだ紅茶と組み合わせたジンジャーティーは、最高のデトックスドリンクと呼ばれています。乾燥したショウガの根を大量に摂取することは、胆石のある人、妊婦および6歳以下の小児には勧められません。
【にんにく・ガーリック】
ニンニクは西アジア-地中海沿岸の原産で、全草に強い臭気があり、長く扁平で0.5-1.5cm幅の頑丈な葉を持つ多年草です。世界中で広く栽培され、食されている香味料で、俗に「強壮作用がある」、「抗菌作用がある」などといわれていますが、ヒトでの有効性については信頼できるデータが十分ではありません。安全性については、経口で適切に摂取する場合はおそらく安全と思われますが、胃腸障害などの悪影響も報告されて、ワルファリンやアスピリンなどの血液凝固に関連する薬剤との併用は、薬剤の作用を強める恐れがあり、血液凝固系に障害のある人は禁忌とされています。また、消化器系の炎症がある場合は注意して用いてください。
【コショウ】
胡椒は、強力な殺菌・抗菌作用が知られており、冷蔵技術が未発達であった中世においては、料理に欠かすことのできないものであった。大航海時代に食料を長期保存するためのものとして極めて珍重され、ヨーロッパの様々な料理に使われており、またその影響を受けた様々な料理でも使われている。このため、インドへの航路が見つかるまでは、ヨーロッパでは非常に重宝されていた。取引には、金と胡椒が同重量で交換された時代もあった。
【ターメリック・ウコン】
ウコンは、平安時代中期に中国から渡来したショウガ科の植物で、インド、中国、インドネシアおよび他の熱帯の国々で広く栽培されて、沢山の種類が確認されています。正式な和名のウコンは香辛料として用いられるアキウコン(Curcuma longa)をさし、ここに記載した内容はアキウコンについて説明します。
含有成分の1つ、クルクミン [英]Curcumin:クルクミンは、カレー粉のスパイスに混合してあるターメリック(ウコン)に含まれる黄色の色素で、スパイスや、食品添加物(着色料)として利用されており、俗に「抗酸化作用がある」、「肝臓によい」、「発がんを抑制する」などといわれていますが、ヒトでの有効性・安全性については信頼できるデータは見当たりません。アキウコンは、俗に「肝臓の機能を高める」といわれ、消化不良に対しては一部にヒトでの有効性が示唆されていますが、信頼できるデータは十分ではありません。ドイツのコミッションE(ドイツの薬用植物の評価委員会)は、アキウコンの消化機能不全への使用を承認しており、安全性については、通常食事中に含まれる量の摂取であれば、おそらく安全と思われますが、過剰または長期摂取では消化管障害を起こすことがあります。アキウコンは胃潰瘍または胃酸過多、胆石、胆道閉鎖症の人は摂取を控えてください。
今日はカレーの味と香りを決める主なスパイスを紹介しました。シリーズとして後何回かエントリーしていきます。
*この記事は独立行政法人 国立健康・栄養研究所の情報を参考に作っています。
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